上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
10年区切り、ということで2013年1月をもってVBを卒業された唐橋さん。
この最後の日記を自分用にと保存していたのですが、先日握手会にてこの日記の話をしたら「どんどん広めてください」と拡散許可を得たので、一部抜粋の形となってしまいますがここに転載させて頂きます。


内容はここ数年のテニミュをスタートとしての演劇の流れや観客の需要の変化・多様化など。


実際演じる立場からの言葉として、また役者を追いかけてる人間として時たまもやもやと感じていたことに対しての一つの答えとして、とても心に響いた文章でした。

以下、『』内が転載した文章です。
----------------------------------------------------------------
『舞台、演劇界はここ数年で、大きく方向を変えました。
小劇場ブームの収束から数年の沈黙後、マーケットが動いたのはテニミュ。
これは発明でしたね。
はじめの数回の興行は赤字だったと聞きますから、「当たる」と確信していたプロデューサーと会社は本当に凄いと思います。

以降、それから派生した原作コスプレイベント的興行が目に見えて増えました。
同じ企業が声優さんを起用して実験的にやり始めたのもボクは観に行っていたのですが

声優さんは凄いですから、容姿に加え、歌、ダンスといったプラスの技術をいくつも持った方が
ドドンと「演技」をひっさげて活躍の場を拡げたわけですからそれまでの演劇人はもう大変。
お客様はばんと入るし、なにより、小屋が空いてりゃ何処でもいい。とどこでも興行をおこなうようになりました。
明治座にモー娘。分りやすい時代の流れでしたね。
演歌歌手が座長を務め、前半にお芝居、後半に歌謡ショー。それだけでは小屋の維持ができなくなってきた。


オペラ、歌舞伎、ダンス系→銀座ミュージカル→青山劇場(劇団☆新感線など)→パルコプロデュース(G2プロデュース)
→文化村(コクーン・野田)→俳優座劇場(ショーケース)→本多(ナイロン、大人計画)→シアタートップス……
といった、勿論はっきりとした各層のコントラストは出せなかったにしろ、僕が好きだった演劇は小屋で選べたものです。
そんな縦割りの層から、何処の地層から観ていこうか、と考えていた演劇ファンの選択肢が、劇場ではもう選べなくなって来た。
大きかろうが小さかろうが、「この小屋らしい」「あの小屋に行けば」と、小屋(はこ。ともよびます)



制作サイドはまず小屋代を払わなければなりませんから
集客の為に、更なる未開のターゲット層を拡げんと、人気の若手イケメンを集めます。
けれどお客様は馬鹿じゃあない。
人気の若手イケメンたちの中でさらに光る
名人芸(演技力・容姿・他技術ら)をひとつでも多く持ったキャスト名人芸を観たいわけです。
芝居が下手でも全然構わない。歌がうまい、ダンスが凄い、話が面白い、メディアの露出、ものすごい格好いい。。

脚本・物語が面白ければ良いじゃないか。

多くの団体がそう考えますが、それは違うと思うんですね。
これまで舞台をみたことがなかった層をターゲットにしているのだから
そのお客様に演劇論で語ったってしょうがないわけです。

マジック的視覚効果、音響、照明のショーアップされたステージングを観たい層が、3時間の長尺のケラさんの物語の面白みがクセになるとは思えないのです。
そんな中、一般コスプレーヤーが纏うのは手製のものすごい布なのに、お金と時間を作って観に行った板の上のキャストのペラペラの衣装にもお客様が集まるのは
もう、優しさなわけです。半ば諦めて、目をつむってくれている。
ボクの知っている演劇には、こんな我慢やあまんじて感なんて微塵も無かったんですよね。
こんなに新しい表現があるのかと、つねに驚かされていた。
(こういう点では、原作モノ、時代モノに於いては、いかに似せて…からのスタートなので限界があるように感じます)


リピーターのお客様は、

「三位決定戦」を観戦に行くのは日本人だけだ。という話をする聞いたことがあります。
決勝を逃したチームには見向きもしない諸国と比して、マーケットとして成立するのは
最後まで付き合って上げるヤマト民族だけだ。
と、いうことらしいですね。


ショーアップと、メソッドの足かせ。

そのようなことから
新規顧客の獲得を考えた時、製作陣としては
今では「劇場に足を運ぶお客様」であるのに
何割かのお客様が「何を観たいか」の特定が難しくなったといって良いと思います。

そのため、演劇フリークもイケメンフリークも声優フリークもアイドルフリークも任侠フリークもアクションフリークも楽しめるよう
何かしらのスパイスを各所に散りばめて、そして、相応のキャスティングが目立ちます。

最近では新感線に小栗旬さんの出演がわかりやすいかしら。

映画・テレビ界の監督が演出をすることも一時流行りましたが、そうやって、とにかく興行を成り立たせなければ元も子もないので
演劇界が崩れたと嘆くベテランの方々の気持ちも分らなくはないですが、だったら小さい小屋でオフオフをすれば良いわけですよ。

だから、ぼくが本来とてもとても灰皿を投げられ怒られてきた各劇団のメソッド(ここでは方法論。という意味で)なんか、もう意味がなくなって来ています。
その場に染まってなんぼ、新規事業を受け入れてなんぼのプロデュース公演に於いては
劇団では輝くはずの、そして染み込ませて体得してきたメソッドこそ、かえって足かせになってしまう。

この場合では、例えば以下の演出方法を「認めたくない」なあなんて感じてしまうことだってありました。
役者の個人的な好みの問題なんて、当然棄てるべきことなんですけどもね。

集中切れ系のファンサービスというのですかね、いわゆる「素」にかえった(及び素に返った風)にみせて
一発芸とかゲーム的な要素を組み込んだシーン構築のファンイベント的シーンが演劇各所で定着しつつあります。

そういったシーンの多くは、役から離れること自体が「うま味・キモ」であるが為、往々にして客席に無意識にお尻を向けていたり
声が小さかったり発音もひどかったりします。
それらシーンは、観る側としての本当の「お得感」は
職人的な芸(すごいモノマネ・切れ味の凄いアドリブ)こそだと思うのですが
技術の無い人間のそれは(ぼくもそうです)、観るに耐えないものになります。


前述の通り、それは良い悪いではありません。
マーケットの変動によって演劇界が取った舵の結果なのだから
これもひとつのこの時代の形だと思います。


脱線するけれど、近年の芸人さんのケガの多さの解説に
身体をはる「リアクション芸人」と、話術だけのスタジオ芸人とで、
以前まであった住み分けがなくなり
一緒くたに「+アルファ」でアレもコレもできるお得タレントのニーズが加熱し
慣れない別分野の演出をも科せられることになってしまった、傾向の結果だ。

というものがありました。

つまり、

若い男子たちが演劇界を盛り上げることは一向に構わない。
だけど、お客様、当然声を出して笑われたりしてらっしゃるけれど、
いいかい、それは、おつきあいだからね。
と、若い子たちに伝えたいんです。
職人芸の無いやつがやることじゃない、と自覚して背水の陣でのぞんでいる役者が果たしてどれだけいるのだろうか。
流れる映像を不特定多数の人間が気軽に観られるテレビと違って
お時間を作って、お財布まで用意して、それから出かけてきてくださる
ステージ鑑賞のお客様は、その時点で考えられないほど好意的なんです。
(中略)
要するに、お客様の層が替わったことで、求められていることが替わってきた。
ならば順応呼応するように、役者は、技を磨き上げねばならないと思うんです。
今の演劇界の流れでは、役者が育たない。
とは言いたくないです。これお客様のせいじゃない。
今日もウケた。とにこにこしている若い子を観ていると、もう
なんと声をかけたら良いか、全く分らなくなる。という、そんな、お話でございました。』


----------------------------------------------------------------------

仮面ライダーなど映像でやまた舞台で何回か演技を見せて頂いたことがあり、がっつり追いかけているのではありませんが心惹かれる役者さんです。
この方は演劇人として本当にしっかりした意見を述べ、かつ異なる意見を考えるだけの懐があり、思い憚ることができる『大人』であり、すごい人だなぁと思います。

上島先生なども「ジャージを着てるから(キャラクターを演じてるから)拍手をもらえてると忘れないよう」といったことをミュキャスに話していたと聞き覚えがありますが、原作とかパッケージングされたものに乗っかる形が増えたのでしょうね。
かりそめの人気、かりそめの足場は怖いものです。

覚悟をもってのぞんでほしいし成長してほしい、であるからこそ舞台というものはこんなにも楽しくて、通ってしまうのかな…と思います。

顔がよいこと大いに結構ですし(むしろ観賞されるものであるからこそ基本としてそうあってほしい、くらいの気持ちがあります)、ネタが悪いというのでもなく。
ただイケメンであること、若さだけではない自分だけの武器を見つけ、磨いていってほしいなぁと。

もちろんただただ見れるだけでも幸せではあるのですが、消費されるだけの存在であってほしくはないのです。

その武器で戦って生き残っていける存在であってほしい。
応援してる人達にも役者としてそうあってほしい。


そんな願いを心の片隅に持って、役者さんを追いかけてるのかなぁと、そんなことを思います。
スポンサーサイト
Secret

TrackBackURL
→http://tamayurawebcos.blog11.fc2.com/tb.php/1595-a573eaf4

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。